玉兎堂の物語

路地の奥の薬処

眠れない夜でした。 気持ちを落ち着けたくて、少しだけ外を歩いていると、いつもは通りすぎる細い路地に、やわらかな灯りが見えました。 月明かりの下、古い木の扉に、小さな看板がひとつ。 「玉兎堂(ぎょくとどう)」 扉の向こうから、トン、トン、と、何かをつく音が聞こえてきます。

  1. 第一章月の薬処のはじまり
  2. 第二章うさこが地上に降りた夜
  3. 第三章玉兎堂の薬箱
  4. 第四章易と、生まれた日の星
  5. 第五章処方箋が届くまで
  6. 第六章うさこのお約束
  7. 第七章お客さまの声
  8. 第八章さらに奥の扉
月明かりの路地の奥に灯る、玉兎堂の店先

玉兎堂の灯りは、
心がお薬を必要としている人にしか、見えない。

この路地には、そんな噂があります。
今夜、あなたの目にこの灯りが映ったのなら、
それはきっと、偶然ではないのかもしれません。

第一章

月の薬処のはじまり

月を見上げると、うさぎが何かをついているように見える。そんなお話を、聞いたことはありませんか。

日本では、うさぎがついているのはお餅だと言われてきました。けれど海の向こうの古い言い伝えでは、月のうさぎがついているのは薬なのだそうです。月に住むうさぎは「玉兎(ぎょくと)」と呼ばれ、白い杵で、長い長い時をかけて、薬をつき続けてきました。

玉兎たちがつくのは、体の薬だけではありませんでした。眠れない夜の心、行き場のない想い、誰にも言えない涙。そうした心に効く薬も、月の薬処では大切につくられていたのです。

月の上で、玉兎たちが薬をつき、生薬を選り分けている
第二章

うさこが地上に降りた夜

月の薬処に、ひときわ耳のいい玉兎がいました。それが、うさこです。

ある夜、薬をついていたうさこの耳に、遠い地上から、小さな声が届きました。

「もう大丈夫」って、笑っていたいのに。

本当は、誰かに聴いてほしいのに。

それは、たくさんの人が胸の奥にしまったまま、言葉にできずにいる心のため息でした。

聴こえる、聴こえる。こんなにたくさんの声が。

うさこは、月から受け継いだ古い薬箱をひとつ抱えて、地上へと降りてきました。そして月明かりの差す路地の奥に、小さな薬処「玉兎堂」を開いたのです。

人の話に、静かに耳を傾ける。だから、うさこは心の聴き師と呼ばれています。

月明かりの下で薬をつくうさこ
第三章

玉兎堂の薬箱

玉兎堂の奥には、月から持ってきた古い薬箱があります。金の取っ手がついた引き出しには、それぞれ違うお薬が入っています。

  • 全体運月めぐりの薬|暮らし全体の流れ
  • 恋愛恋煩いの薬|想いと関係のゆくえ
  • 縁談・結婚結び糸の薬|ご縁と将来のこと
  • 仕事・転職志の薬|働き方と進む道
  • 金運実りの薬|お金と巡りのこと
  • 待ち人便りの薬|返事や連絡を待つ人
  • 人間関係和み草の薬|職場や友人との関係
  • 秘伝うさこの特別調合|まだ開かない引き出し

同じ引き出しを開けても、出てくるお薬は毎回ちがいます。心に効く薬は、いつも同じとは限らないから。その日のあなたに、いちばん合うひと粒を、うさこが杵をついて調合します。

満月の前で薬箱を開けるうさこ
第四章

易と、生まれた日の星

うさこの調合には、ふたつの古い知恵が使われています。

易(えき)

三千年ほど前から伝わる、東洋でもっとも古い占いのひとつ。陰と陽の組み合わせから、いまの流れと、どう歩けばいいかを照らします。

生まれた日の星

生年月日から読み解く四柱推命の知恵。あなたが生まれ持ったもの、心の奥にある本当の願いを照らします。

易は、いまという天気を見るもの。生まれた日の星は、あなたという大地を見るもの。どちらか片方だけでは見えないことも、ふたつを合わせると、ふっと見えてくることがあります。

そして、どちらも未来を言い当てるためのものではありません。暗い夜道で足もとを照らす、月明かりのようなものです。

筮竹と古銭、兎の描かれた占い盤
第五章

処方箋が届くまで

薬箱の易占いで出たお薬の奥には、ときどき、鍵のかかった小箱が眠っています。その鍵は、あなたが生まれた日の星から作ります。

  1. 公式LINEで、鍵を受け取る友だち追加をすると、うさこからごあいさつが届きます。
  2. 鍵の帳面に、あなたのことを書くお名前、生年月日、いま気になっていること。うまくまとめなくても大丈夫です。
  3. うさこが小箱をあけて、一人ずつ読み解く月明かりの下で、あなたの星をていねいに読み解きます。3日ほどお待ちください。
  4. あなた専用の処方箋が届くLINEで、そっとお届けします。無料です。

処方箋に書かれていること

  • あなたが生まれ持った本質
  • 心の奥にしまっている、本当の願い
  • あなたのお悩みを、より深く読み解く鍵
  • うさこからの、ひとこと
月と兎の彫られた金の薬箱と巻物
第六章

うさこのお約束

玉兎堂の扉をくぐる方に、うさこが大切にしていることがあります。

  • 不安をあおりません「このままでは大変なことになる」とは言いません。お薬は、心を軽くするためのものだから。
  • 決めるのは、あなたですうさこが照らすのは足もとまで。どの道を歩くかは、いつもあなたが選んでいいのです。
  • お預かりしたことは、大切にいただいたお名前や生年月日、お悩みは、鑑定のためだけに使い、うさこの薬棚に大切にしまっておきます。
  • 体と心の不調は、お医者さまへ玉兎堂のお薬は、心にそっと寄り添うもの。つらい不調があるときは、ためらわずにお医者さまや専門の方を頼ってくださいね。
第七章

お客さまの声

月と兎の小瓶に入った、虹色に光るお薬玉兎堂は、まだ開いたばかりの小さな薬処です。
処方箋を受け取ってくださった方の声を、これから少しずつ、ここに飾っていきますね。
第八章

さらに奥の扉

玉兎堂のいちばん奥に、
まだ開いたことのない扉があります。
その向こうは「月影の間」。
あなたの心の、もう少し奥まで
聴かせていただくためのお部屋です。

いつか、ご案内しますね
月と兎の彫られた、閉ざされた奥の扉

扉の向こうで、今夜もうさこが杵をついています。
今夜のあなたに合うお薬を、
薬箱から探してみませんか。